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コスプレ造形に使う粘土を解説

eyechatch clay for cosplay

コスしたいキャラの装備に合うものがない。造形コスプレに挑戦したいけど何を使えばいいかわからない。

コスプレに使う武器や鎧の装飾など、既存のモノではどうしても再現できない部分が出てくるかと思います。

ここでは、コスプレによく使われる粘土を紹介します。

目次

コスプレ造形に使う粘土

  • 軽量粘土
  • 石粉粘土
  • 樹脂粘土

コスプレ造形の作品は置物などと違い、身につけたり、手で持ったりすることが前提のものになります。その為、コスプレ造形用に選ぶ粘土では一に「軽さ」、二に「壊れにくさ」が選ぶ際のポイントとなります。

 この点を満たす粘土は「軽量粘土」で、コスプレ造形をする上で、最も使用する機会が多いものになります。

 負荷のかからない部分や、重みをあまり気にせずとも良い位置のモノを作る場合は、石粉粘土、樹脂粘土の出番になります。  それぞれの粘土の特徴について、以下で詳しく説明していきます。

軽量粘土

 軽量粘土は、名前の通り軽量な粘土で、乾燥後は発泡ウレタン程度の重さになり、弾力性があって壊れにくいという特徴があります。

 コスプレ造形をする上で二つのメリットを満たしている軽量粘土ですが、粘土を固めた後に切ったり削ったりといった加工がしにくいことがデメリットです。

 コスプレボードなどを芯に使う場合、あらかじめパーツとして作っておいた作品をGボンドなどで接着するか、軽量粘土に木工用ボンドなどを混ぜて少しべたつくくらいにしてから盛っていくと比較的定着します。
 粘土の量と制作時間に余裕がある場合は、芯材全体を粘土で覆ってしまうのも一つの手です。

 結局は下地材などで質感が隠れてしまうので、100均の粘土を使用しても良いですが、㈱パジコのかるがるなどもコストパフォーマンスや硬化後にちょっとした加工ができるなどの点で良いかと思います。

軽量タイプの紙粘土。工作や大型作品の芯材に。
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 種類は少ないですが、乾燥後に削ることができる軽量粘土もあります。
 形を作る段階である程度作り込みたい場合は、そちらを利用してみても良いかもしれません。

やすりで削れる軽量粘土。大型アート作品の芯などに。
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石粉粘土

作品の重さがあまり気にならない部位であったり、角がシャープなモチーフであったりする場合は、石粉粘土が向いている場合もあります。

石粉粘土は、軽量粘土や樹脂粘土と異なり、乾燥後に彫刻刀で彫ったり、やすりで削ったりすることが容易なので、他の粘土よりも綺麗な作品を作ることができます。

デメリットは、柔軟性が乏しい為、作っている途中や実際に装着した際に欠けたり、ひび割れたりする危険性がある点です。

ジェッソなどの下地材を厚めに塗ることで、デメリットをある程度軽減することはできますが、キャラクターの装備は重心などを無視した造形であることが多いので、軽い芯を使って粘土をあまり使いすぎないようにすることでも壊れてしまうのを軽減できます。

 重みがあまり気にならない部位であっても、結局はスタジオやイベント会場までの移動の際には持ち運びますので、軽いに越したことはありません。その為、コスプレ造形に向いている石粉粘土は通常の石粉粘土の60%程度の重さの㈱パジコの「プルミエ」になります。コスプレボードや既存の樹脂製品との接着は全くしないので、どうしてもくっつけたい場合は乾いてからにすると良いかと思います。

石粉粘土の本格的な仕上がりと軽さを両立した新感覚の粘土
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樹脂粘土

仕上がりが艶やかで、綺麗な艶感のある作品に仕上がる樹脂粘土は、ここぞというポイントで使うと良い粘土になります。

中身がしっかり詰まっていて、軽量粘土ほどデコボコにならず、綺麗に仕上がってくれるのがメリットです。また、乾燥後はとても柔軟性が高く、ちょっとやそっとの衝撃では壊れることはありません。

 デメリットはほかのものに比べて大きさに対する価格が高いことと、軽量粘土と同様、硬化後に切ったり削ったりの加工が難しいことです。

 コスプレボードや既存の樹脂などへの接着は他の粘土よりは良いですが、収縮が大きい為、ポイントでつける場合などは、乾燥の過程で取れてしまう可能性があります。
 そういった場合は、木工用ボンドなどの接着剤を使用してくっつけてください。

 樹脂粘土は日清アソシエイツから事業譲渡されたサン工業の「グレイス」がスタンダードでおすすめです。

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粘土と合わせて使いたい役立ちアイテム

表面をきれいにする下地材(ジェッソ・造形ベース)

 コスプレ造形をする上で、粘土で作ったものをそのまま使うと、他の衣装と比べて仕上がりが見劣りしてしまったり、粘土自体の強度では身に着けるのに十分な強度が得られない場合があります。

 そこで、粘土を乾燥させた後に、下地材としてジェッソや造形ベースを塗って仕上がりを良くすることをお勧めします。

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どちらもコスプレ造形では良く登場する下地材です。

 造形作品の仕上がりの良さを優先したい場合はジェッソ、作品の装着時の強度補強を優先したい場合は造形ベースを使用すると、それぞれ適切な効果を得られると思います。

 造形ベースは若干塗るのが難しいので、目立たない場所で試してから、塗る際のコツをつかみましょう。

コスプレ造形の強い味方 接着剤「Gボンド」シリーズ

 芯材と粘土、衣装と粘土、金具と粘土など、粘土単体で作品が完成することがほぼないのがコスプレ造形です。その為、粘土で作った作品が、他のパーツとくっついてくれなくては意味がありません。

 粘土自体もある程度接着力を持つものもありますが、撮影に耐えられる強度を得るにはやはり接着剤を使うべきです。

 コスプレ界隈で良く使用されるGボンドシリーズは強い接着力で信頼できる品質です。

導入としてはG17を使ってみて、合わない場合はG10やクリヤーを試してみると良いかと思います。

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まとめ

 コスプレ造形に使用する粘土について解説しました。

 身に着けた時の軽さ、造形したものの壊れにくさという面では、軽量粘土が汎用的で使いやすい粘土になります。
 使ってみて物足りなかったり、もっと繊細に作り込みたくなったら、石粉粘土や樹脂粘土を使ってみると良いかと思います。

 コスプレ衣装制作や造形をする方は、どうしても時間に追われがちになってしまいますが、粘土で作る場合は「乾燥時間」という最大の敵がいます。
 大きさや環境にもよりますが、おおよそ1週間が中まで乾く目安です。  

 イベントや撮影のスケジュールに余裕があり、コスプレ造形に挑戦したい!といったときに今回紹介したものを参考にてもらえたら嬉しいです。

 本ページでは、他にも粘土に関するいろいろな情報を掲載しているので、興味がある方は覗いてみてください。

この記事を書いた人

造形材料メーカーで十数年勤務を経験。
作品に最適な材料選定の一助なれたら嬉しいです。

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