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【小学校低学年】ねんどの種類と選び方【ずこう】

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小学校になると、ずこうの授業で色々な粘土をつかる機会が増えます。

学校で用意されるねんどもありますが、自由工作などの宿題としても粘土での工作が選択肢になることもあると思います。

今回は、小学校低学年度使われる粘土の種類と、教育的な面でどんなメリット、デメリットがあるかについて解説していきます。

目次

小学校低学年度よく使われる粘土

  • 軽量粘土
  • 土粘土
  • 石粉粘土
  • 油粘土

 軽く、壊れにくい軽量粘土は作品を家に持ち帰ることが前提の作品作りによく使われます。

土粘土(土風粘土)は、実際の土をベースに、小学生でも造形したように調整したもので、低学年で取り扱うことを推奨されている粘土になります。

 油粘土は保育園、幼稚園でもなじみの深い粘土だと思いますが、特に1~2年生の時に低学年らしいダイナミックな作品を作る際によく使われます。

 石粉粘土は3年生~高学年に向けて、細かい造形ができるようになってきた年齢で稀に使われる粘土になります。

 それぞれのメリット、デメリットについて個別に説明していきます。

軽量粘土

 軽量粘土は、軽く、壊れにくい特性があり、授業で作った作品を持ち運びしやすいことが小学校としては最大のメリットになります。また、自由研究などで使う場合も、作品をもって運ぶのには最適の粘土になります。

 デメリットとしては、他の粘土に比べて細かい造形に向かないという点にあります。ただ、小学校低学年では、ダイナミックな構成の作品になりがちなので、このデメリットもそこまで問題になることもありません。

 小学校向けにたくさんの種類の軽量粘土が販売されていますが、大別すると2種類のタイプがあります。

のびる軽量粘土

のびる軽量粘土は焼く前のパン生地のように細く、長く伸びる粘土です。

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「伸びる」という特性は小学校低学年の子供が「ねんど」という材料に興味を持つ上で役に立つといわれています。
メーカーによってはねんどを混ぜながら体操して遊ばせることをPRしているものもあります。

伸びる粘土はその成分上、接着性が高くなっているものが多く、ペットボトルや段ボールなど、廃材を芯材とした作品制作にも向いています。

デメリットとしては、形を保持することが苦手で、絵具を混ぜたりした際に作った形が垂れて変形してしまう場合などがあります。

造形向け軽量粘土

造形向け軽量粘土は、粘土の形を保持しやすいことが特徴の粘土です。

伸びる粘土のデメリットの部分を補うような軽量粘土で、伸びる粘土よりも軽いことが多く、多少絵具を混ぜても形を保持でき易いのがメリットです。

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デメリットはペットボトルや発泡スチロールなどの樹脂系の芯材への接着性が良くないことが多い点です。
紙や木などの吸水性のある定着しやすい芯材であればこのデメリットはあまりないので、芯を使ったり、軽量粘土だけで作品を作る場合は、こちらの方が良いといえるでしょう。

土粘土(土風粘土)

 土粘土は名前の通り、天然の土をベースに作られた粘土になります。

 小学校低学年では、作品を制作する上での表現の経験のほかに、ねんどという材料に「触れる」という経験も重要とされています。

 小学校で使われる土粘土については、造形に特化された粘土(濃い灰色が多い)粘土と、土器制作などの歴史的な教育背景もある赤色か黄土色の粗めの粘土の2つに大別されます。

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 濃い灰色の粘土は先々美術専科などで使用される彫塑用の土粘土(水粘土)に近い成分の為、ハイレベルな美術教育を視野に入れている場合は、一度触ってみても良いかもしれません。

 赤い土器制作に向けた粘土は、造形性は少し見劣りしますが、縄文時代、弥生時代などの土器やはにわの制作を実際に体感できるという点がメリットです。
 乾燥させて終わりのものもありますが、焼き物として本当の土器のような作品に仕上げることのできるものもあります。

 デメリットとしては、作品が重くなることと、強度が弱く壊れやすいという点が挙げられます。
 天然の土がベースなので、強度的には他の粘土に比べて不安があります。

石粉粘土

 石粉粘土は細かい造形がしやすい、造形に特化した粘土です。

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 芸術的な分野、手芸、工芸分野で広く使われている本格的な粘土で、形を作った後、切ったり削ったりという加工もしやすく、粘土で形を作り上げるだけよりも多岐にわたる工程の経験ができる点がメリットです。

 粘土自体は軽量粘土や土粘土に比べると固い為、小さな子供では少し扱いにくい点、比較的重みがあり、乾燥した後は柔軟性がない為、土粘土ほどではありませんが、持ち運びなどには少し向かない点がデメリットになります。

油粘土

 保育園・幼稚園から使われることの多い油粘土は小学校低学年でも引き続き使われる粘土です。

保育音、幼稚園から使える油粘土。
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 粘土鉱物と油が混ぜられている為、乾燥して固くならず、何度でも使用できるのが最大のメリットです。
 使用後、作品を塊に戻して収納できる為、作品を作った後も、学校や家庭などの限られたスペースにも収納しておけるのも利点といえます。

 デメリットとしては、固まらない為、良い作品ができても、それを長期的に保存しておくことが難しい点です。
 油粘土で良い作品ができた際は、写真などに残しておくと良いでしょう。

 最近では、水に浮くほどの軽い油粘土も販売されており、油が水をはじくという特徴から、船を作るという作風も見られます。
 軽い油粘土で船体部分を自由に作り、そこに紙やペットボトルなどの軽い素材を加工して作品を制作します。

安全なのに水に浮くほど軽い!遊び方と表現の幅を広げる軽量油粘土。

 作った作品で遊べるという点で、子供受けのいい題目になります。

番外 液体粘土

 液体状の粘土も、学校教材で使用されることが多々あります。

 軽量粘土もしくは石粉粘土を水に溶いて泥状にしたもので、布や紙など吸水性のあるものにしみこませて形を作り、乾かして平面的な形を立体的に固定できるという特徴があります。

ずこうの授業でも使う液状粘土。布や紙と合わせて使って独特な質感を作ろう。
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 粘土だけで自由に形を作るものとは少し勝手が違いますが、いわゆる粘土とは違う感触を味わいながら作品を制作する経験は子供にとって面白いことかもしれません。

 デメリットは液体粘土単体での作品作りは難しいということと、水分が多い為、乾燥後ひびが入ったりしやすいという点です。

 液体粘土については別の記事で詳しく説明していますので、こちらも参考にしてみてください。

まとめ

小学校低学年で使う粘土について解説しました。

 持ち運びやすい軽量粘土、天然の土粘土、細かい造形ができる石粉粘土、何度も使える油粘土の4種類が小学校低学年でよく使われる粘土の種類になります。

 学校のずこうの授業では、先生が選んだ教科書の題目に合わせて、粘土が選ばれます。小学校低学年はいろいろなことを吸収するゴールデンエイジですので、授業に使わなかった粘土もおうち遊びや自由研究などで使ってみても良いかもしれません。

 小学校入学前の、3歳~幼稚園で使われる粘土についてもまとめていますので、興味がある方は覗いてみてください。

この記事を書いた人

造形材料メーカーで十数年勤務を経験。
作品に最適な材料選定の一助なれたら嬉しいです。

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