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石塑粘土とは (石粉粘土との違い)

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石塑粘土と石粉粘土ってあるけど何が違うの?
石粉粘土を探していたら石塑粘土も出てきたけど違いが判らない。

粘土の種類もいろいろありますが、似たような名前の粘土が出てくるともっと困りますよね。
ここでは、石塑粘土とは何かということに加え、石塑粘土と石粉粘土の違いについても解説していきます。

目次

石塑粘土とは

「石塑(せきそ)」という語は㈱パジコの登録商標になります。

なので、㈱パジコが販売する石粉粘土が石塑粘土ということになります。

厳密には、パッケージに「石塑」と書かれているのは、「ラドール」「ラドールプレミックス」「アーチスタフォルモ」の3種類です。

美術、手芸、ホビーなど、すべての分野で癖なく使える石塑粘土。
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「塑」とは、捏ねて形を作るという意味がありますので、石をこねて形作る粘土という意味がありそうです。石を彫るのではなくこねるというのは面白い表現ですね。

手練りをする粘土では力を加えて変形すると永久的に形を変える性質である「塑性」が重要であるとされています。
塑性の反対の性質は「弾性」になるのですが、ここに挙げられた粘土は、一部の石粉粘土(ファンドやマイネッタなど)に比べて弾性が少なく、良い塑性を持っているという意味で「塑」という字があてられるのかもしれません。

石塑粘土と石粉粘土の違い

 石塑粘土は、塑性に優れた㈱パジコの石粉粘土の商品群です。

 それに対し、「石粉粘土」は「石の粉を主成分とした粘土」の総称になり、石塑粘土よりも広い意味での粘土の分類になります。

 ここで注意したいのは、石粉粘土には、性質の違った粘土が大まかに2種類存在するということです。

先に挙げた作品制作のしやすく汎用性の高い「ラドールタイプ」の粘土と、フィギュアや小物制作向けの固くて作品強度の高い「ファンドタイプ(マイネッタタイプ)」の粘土の2種類が「石粉粘土」という分類には含まれています。

フィギュア造形の登竜門。細かい造形に適した石粉粘土。
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薄く延ばしてもコシがあって切れにくい。石の花や粘土の篭編みをしたいときはこの粘土。
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 自分の作りたい作品や参考にした本などをもとに、間違えないように選んでください。

石塑粘土でおすすめの作品

 石塑粘土は汎用性が高く、広い分野で使用されています。

 中でも良く使用されるのが、創作人形や美術造形などの分野です。

 使い勝手が良く、作る作品を選びにくいのが特徴ですが、作成後の強度が若干弱く、人形やフィギュアなどでも毛束や指先など、細かい造形で後加工が必要な部分はやや苦手です。

ある程度のサイズ感があり、基本的な造形を石塑粘土で作ってから、細部はファンド(マイネッタ)タイプで仕上げるというのも一つの手です。

ファンド、マイネッタタイプの石粉粘土に適した作品

 石塑粘土とは違ったタイプのファンド、マイネッタは、粘土が固く、やや弾力がある為、大きいの作品を作っていくのはあまり向きません。

 代わりに、小さな作品に微細な後加工をしたい場合などは向いています。
 フィギュア造形に関してはまずニューファンドなどの強度のある石粉粘土を初心者におすすめする書籍もあります。

 また、マイネッタは手芸分野で使われる固いタイプの粘土ですが、薄く延ばして湾曲させてもヒビが入りにくい為、帯状にした粘土でカゴを編むなど、独特な使われ方をします。

まとめ

 石塑粘土は㈱パジコの塑性に優れた石粉粘土であることを紹介しました。

 石粉粘土では、ラドールタイプとファンド・マイネッタタイプの大きく2種類の粘土を含むことになるので、注意が必要です。

 大型の作品、創作人形、美術造形などのアカデミックな分野ではラドールタイプを、フィギュアやカゴ編み、細かい後加工などをする場合はファンド・マイネッタタイプを選ぶのがおすすめです。

 学校の授業以来粘土を触ったことがないという人は、ラドールタイプの粘土を選ぶと、違和感なく粘土造形に入れるのではないかと思います。

 作ってみたい作品に応じて、色々な粘土の違いについても別の記事で紹介していますので、興味の合うものがありましたら、覗いていってください。

この記事を書いた人

造形材料メーカーで十数年勤務を経験。
作品に最適な材料選定の一助なれたら嬉しいです。

コメント

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