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軽量粘土とは

eyechatch light weight clay

軽量粘土っていったいどんな特徴があるの?

軽量粘土は紙粘土や樹脂粘土と違いってなに?

どんな原料でできているの?

最近では小学校の図工の授業で使われたり、100均でもいろいろなバリエーションがあったりして目にする機会の増えた軽量粘土ですが、どんなものかよくわからないという方も多くないかと思います。

ここでは、軽量粘土とはどんなものなのか、特徴と他の粘土との違いを説明した後、年齢や作りたいもの別におすすめの軽量粘土を紹介します。

目次

軽量粘土の成分と特徴

 軽量粘土は、ずいぶん前に普及していた紙粘土と比べて1/4~1/8程度まで軽くなった粘土です。

 粘土全体を軽くするために、それまで使用されていなかった樹脂軽量化材(微小中空樹脂)が主成分となっており、水性の糊と混ぜて粘土状になっています。

 他に類を見ない軽さに加えて、それまでの粘土と大きく違う点は、形を作る際に、粘土が手につかないという点が大きな特徴です。

軽量粘土と他の粘土との違い

軽量粘土と紙粘土の違い

 軽量粘土と従来の紙粘土との大きな違いはやはり軽さです。

 紙粘土は、一般的に粘土を紙パルプで補強した粘土のことを指します。

 昔は重い石の粉(炭酸カルシウムなど)と糊、紙パルプを混ぜた紙粘土が普及していました。

紙粘土は1商品800g~1000gくらいが一般的な重量でしたが、軽量粘土では同じくらいのサイズ感で100g~300gくらいとなっています。

 また、軽量粘土は手につきにくいという特徴もあります。土や石粉を使用した粘土は造形時にどうしても手や器具に粘土が付着してしまいますが、軽量粘土はこれが少なく、周囲を汚さずに作業できます。

 また、一般的に軽量粘土は白色をしており、紙粘土はグレーや褐色気味のものが多い為、粘土自体に色を練りこんできれいな色を発色させることができるようになりました。

 現在では、既に色を練りこんであるタイプの軽量粘土も販売されています。
一部「軽量紙粘土」や「超軽量紙粘土」という表記の商品が見られますが、一般的な紙粘土が主流であった時の名残で、今でいう軽量粘土を紙パルプで補強したタイプの粘土であることが多いです。

軽量粘土と樹脂粘土の違い

軽量粘土と樹脂粘土はどちらも樹脂を主成分にする粘土ですが、樹脂を使用することによる効果に大きな違いがあります。

 軽量粘土は軽量化する為の成分として、中空(中が空洞)の成型された固体の樹脂を使用しています。樹脂粘土は、樹脂を接着性の向上や完成後の艶やかさを出すために液体の樹脂を使用しているケースがほとんどです。

 その為、軽さは軽量粘土、仕上がりの美しさは樹脂粘土という違いが出てきます。

 軽量粘土と樹脂粘土は、とても相性が良く、混ぜて使うことができます。

 販売されている粘土でも「軽量樹脂粘土」という名前や、「樹脂粘土ベースの軽量粘土」などと書かれているものは、樹脂粘土の艶やかさで少し軽量化もしているような2つの良いところを合わせ持った商品もあります。

 ただ、「軽量樹脂粘土」という表記はメーカーによってブレがあり、普通の軽量粘土を軽量樹脂粘土といっている場合もありますので、この辺りは作品例などを確認したうえで購入してください。

ケース別おすすめ軽量粘土

小学校の自由研究でおすすめの軽量粘土

ペットボトルや牛乳パックなど、すでに形のあるものに粘土を巻き付けたりして作る作品が多い小学校の自由研究では、接着性の良いタイプの軽量粘土を選ぶことをお勧めします。

一般的な軽量粘土よりも気持ち重いですが、その分接着性と硬化後の柔軟性が高く、長い距離を持ち運んでも壊れにくいというメリットがあります。

ハンドメイド(クレイクラフト)でおすすめの軽量粘土

ハンドメイド作品では、あまり伸びたりせず、それ自体が形をある程度保てるタイプの粘土が良いと思います。

 ハンドメイド分野では、粘土作品の上から色を塗ることよりも、粘土自体に色を練りこんで深みのある色調を作るケースが多いので、カラーバリエーションの多いシリーズの軽量粘土を選ぶのがおすすめです。

カラーバリエーション豊富なハンドメイド向け軽量粘土
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大型アート作品制作におすすめの軽量粘土

アート作品を制作する場合、軽量粘土の素地自体を作品の表に出すというよりは、軽量粘土で作品の土台を大まかに作成して、その上からより造形しやすいタイプの粘土で仕上げていき、大型の作品に仕上げるという手順で使用されるケースが多いかと思います。

 ここで比較的重要になるのは価格と硬化後の後加工ができるかどうかになります。

 軽量粘土は硬化した後に弾力性がある為、カッターややすりなどでの後加工が難しいですが、一部の軽量粘土では大まかにはなりますが後加工が可能な粘土もあります。

大型作品の芯材に。安価な軽量粘土。
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軽量粘土を削って使いたい方向け。少ししっかり目の軽量粘土。
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軽量粘土自体の加工にジェッソなどの下地を塗ってもいいですし、軽量では仕上げきれない部分に石粉粘土などを使って仕上げても良いかと思います。

クレイフラワー制作におすすめの軽量粘土

クレイフラワー制作の軽量粘土で特に必要な特徴は「滑り」になります。

 花の花弁や葉などの薄いパーツをいくつも作成することになる為、薄く延ばしやすく、かつ型崩れしないという特徴が必要になってきます。

着色済み軽量粘土。多色で混ぜてもべたべたしない。
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 特にクレイフラワーに特化した粘土は、白のみで使用されることは少ないですので、既に色を混ぜてあるものもあるので、合わせて使うと手間が省けて便利です。

ちょっと変わったつぶつぶ軽量粘土

日本の軽量粘土は、目見るのが難しいほど細かい軽量化材(微小中空樹脂)が使われています。

しかし、海外に目を向けてみると、数ミリ程度の発泡スチロールの粒を糊でまとめて粘土状にしたタイプの軽量粘土もあります。

粒の大きい軽量粘土。独特な質感を出したい方に。
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 日本では主に子供の遊び用に販売されているものが多いですが、海外ではこのタイプの粘土を使用した大型の作品なども見られるので、ツブツブな独特の質感を使って作品を作りたい場合は、こちらを使用してみても良いかもしれません。

 マジック粘土という名前で販売されている粘土もこのタイプの軽量粘土です。

まとめ

 軽量粘土の特徴と他の粘土のちがいについて解説しました。

 軽量粘土は「軽い」「手につきにくい」「壊れにくい」「白い」という四つの特徴を持った非常に使い勝手のいい粘土です。

 ほぼすべての粘土メーカーから軽量粘土は発売されており、一言に軽量粘土といっても会社ごと、商品ごとに微妙に特徴が異なり、作る作品によって合う粘土も異なってきます。

 ここでは100均の粘土については触れていませんが、作る作品によって注目する特徴については触れていますので、パッケージの説明書きから適したものを選んでみてください。

 現在市販されている粘土の種類全体についてもまとめていますので、どんな粘土の種類があるのか気になる方は読んでいっていただけると幸いです。

この記事を書いた人

造形材料メーカーで十数年勤務を経験。
作品に最適な材料選定の一助なれたら嬉しいです。

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