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フィギュアを粘土で作ろうと思ったら揃えるものまとめ

eye catch figure tools

粘土でフィギュアの原型を作ってみようと思ったけど何を揃えればいいかわからない。
あまり費用をかけずに、お試しでフィギュアを作ってみたい。
粘土って紙粘土しか触ったことないけどフィギュア用の粘土って何を選んだらいいの?

そんな方向けに、本当に最低限どんなものを揃えればよいかまとめてみました。
必要最低限必要なものから始めて、ちゃんとやるにはあったほうが良いものも紹介していきます。

目次

フィギュア製作で最低限必要なもの

 粘土でフィギュア原型製作に最低限必要な材料、ツールを紹介します。
 とりあえずやろうと思ったときに揃えるものは次の4点です。

  • 粘土(1~2個)
  • 芯材(アルミ線1.0㎜程度)
  • ヘラ(スパチュラとも言う)
  • デザインナイフ

それぞれについて、以下で詳しく説明していきます。

粘土

 粘土で原型を作るのだから粘土は必須というのはわかりやすいかと思います。
 人型のフィギュア1体作るのに1個~2個の粘土が必要になります。
 種類については別記事で詳しく説明しているので、そちらをご覧ください。

 初心者の方にお勧めは石粉粘土のラドールタイプです。
 紙繊維で補強した粘土という意味で、紙粘土の仲間で、より繊細に造形できるよう調整された素材です。
 髪や服など薄かったり、細かったり、カーブが多かったりといったパーツがあるような場合は、同じく石粉粘土のファンドタイプも併せて1つずつ揃えると用途によって使い分けしやすいかと思います。

初心者でも上級者でも扱いやすい石粉粘土。
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フィギュア造形の登竜門。細かい造形に適した石粉粘土。
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芯材

 フィギュアを粘土だけで作ろうとすると、形が崩れやすかったり、重くなったり、作っている途中にバランス迷子になったりしてしまうので、芯材であらかじめある程度のアタリをつけておくとよいと思います。

 アルミ線は金属の中でも軽く、錆びないので芯材によく使われます。

 1体分を小売りにされていることは少ないので少し多くなりがちですが、1.0㎜径程度のアルミ線を持っておくと使い勝手が良いかと思います。

フィギュア芯として使用する場合は、2本をねじねじして撚り線にして使うと粘土の食いつきがよいです。
100均などで少量で販売されている場合もあります。

ヘラ(スパチュラ)

 フィギュアの命である顔などの細かい部分を作りこんでいくのに必要な道具です。

 自分好みのヘラは意外と少なく、割りばしなどをナイフで加工して自分好みのヘラを作って使用している方もいるくらいですので、購入する優先度は低めです。
 ヘラ自体にどんな形があるのかというのを見ておきたい場合は、1本汎用性の高いものを購入してみてもよいかもしれません。

ヘラの最初の1本に。かゆいところに手が届くカーブ付き。
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デザインナイフ

 粘土が固まった後の修正、作りこみをするために使用するデザインナイフは、自作できない分ヘラよりも優先度は高いです。

 デザインナイフも柄や刃のしっかりしたタイプとメスのように薄く鋭いタイプの2タイプがあり、場所によって使い分けられるとより良い作品になるかと思います。

 一番初めは絵や刃がしっかりしている刃がダメになっても替え刃があるタイプのものを選ぶと使い勝手が良いかと思います。

目や髪、指先など、細かい部分をきれいに仕上げたくなったら、薄い刃のタイプのデザインナイフを使用すると、切れ味が良く作業しやすいです。ただ、よく切れるので力を入れて切断するような場面では怪我をすることもありますので注意してください。

フィギュアの細かい仕上げに。(替え刃別売)
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慣れてきたら揃えたいもの

 フィギュア全体がある程度作りこめるようになってきて、1体を綺麗に仕上げたくなった段階で揃えると良いものは下記の3点です。

  • やすり
  • ホビーのこ(小さいのこぎり)
  • サーフェイサー(下地材)

 これらの器具は、乾燥後に綺麗に仕上げたり、複製の為の下処理に重要な器具で、作って乾かしただけの作品に比べてかなり完成度の高い作品に昇華するために必要になってきます。
 こちらもそれぞれ説明していきます。

やすり

 乾いた粘土作品を綺麗に仕上げるには、やすりで表面を削って均すのが良いです。
 粘土は乾燥や硬化をする過程で程度の差はあれ収縮したり細かい凹凸が発生します。
 それを均一に均すのがやすりの役目になります。

 スポンジやすりはある作品の面に合わせてある程度形を変えてくれるので、使いやすいやすりです。

 細いパーツの隙間など、やすり掛けしにくい部分のやすり掛けは、メーカーで独特なやすりを販売しているので、そういったものに頼ってみてもいいかもしれません。

ホビーのこ

 腕や脚と胴体部分の間は、外側と違って用具が入りにくく、作りこみにくいことが多いです。

 そういった場合、芯材もろとものこぎりで四肢を切断して、パーツごとに作りこんでいくと全体を綺麗に仕上げることができます。

 この後の段階にもなりますが、フィギュアの複製をする場合は、基本的に各パーツに分けて型取りをしますので、そういった意味でも先々無駄にならない道具です。 

 のこぎりというと大きいイメージがありますが、フィギュアで使用するホビーのこは少し長めのペンサイズで、細かい部品の切断に重宝します。

構図決定後のパーツ分けはホビーのこでバッサリ切断。
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サーフェイサー

やすり掛けなどが終わった後に、表面を均一な被膜で覆う材料(下地材)になります。
細かい粒子が見えない凹凸を埋めてくれるので、とてもきれいに仕上がります。

原型に直接塗装をしたい場合は白色を塗ると塗装がしやすいです。

スプレータイプサーフェイサー。フィギュア造形の下地や型取り時の原型保護に。
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 また、灰色のサーフェイサーは、反射の少ない色の為、粘土の状態では気付きにくかった凹凸や仕上げ残しなどがわかりやすく、型取りをする前などに使って仕上がりの確認をするのに便利です。

原型の最終調整に。型取り前の原型保護にも。
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スプレータイプと筆塗タイプがありますが、作業環境に合わせて使えそうな方を選んでください。
さきざき複製の時の型取りをする場合も、サーフェイサーを吹いておくときれいな型が取れるので、使うことの多い材料です。

フィギュア造形初心者がやってみるべきこと

 揃えるものはわかったけど、結局何から始めればいいの?という疑問もあるかと思います。
 最低限の道具を揃えたらまずやることでおすすめなのは「既存のフィギュアを真似て作ってみる」ことです。
 そのまま模造しても良いですし、キャラクターやポーズ、表情などを変えてみても良いです。

 立体造形は、普段見ているアニメや漫画などと比べると形のとらえ方が異なる部分があります。
 絵を見て顔の輪郭を作ったら変な形になるというのは初めて造形するときによくある話です。
 そういった違いを実物を見て感じられるという点で、お手本を用意するのは良い練習になると思います。
 「立体造形の難しさの把握」と「できた時の完成度」のバランスも取れるのでモチベーションも保ちやすいです。

 既にお持ちのものを参考にしても良いですが、品質の高いフィギュアを見て学ぶというのも勉強になります。
 フィギュアを作ろうと思う方は、既にお気に入りの作品をお持ちかと思いますが、ある程度価格帯の高いフィギュアを1つ持っておくと、良いフィギュアとは何かというのが感じ取れるのではないかと思います。

 フィギュアメーカーでではスピリテイル、コトブキヤ、海洋堂などが有名どころになります。
 素材に比べると安い買い物ではありませんが、参考にする作品や原型師、フィニッシャーの方などを意識して制作するうえでは、1体は手元に置いておいても良いかと思います。

 実際に作り始めてみて、分からないところやうまくいかないところがあったら書籍や作り方の解説サイトを参考にしてみるというのが筋の良いやり方です。

原型制作の入門書。素材はエポキシパテを使ってますが、参考になります。
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 情報だけを集めてノウハウコレクターにならないように、まず「やってみる」ことをお勧めします。

まとめ

 今からフィギュアを始めようと思う方が揃えるものと少し慣れてきてから揃えるものについて解説しました。

 フィギュアづくりに少し興味を持った方が、1から10まで用具をそろえていくのは大変かと思いますので、最低限必要な材料、用具だけ揃えて、続けられそうだったら少しずつ買い足していくのも良い手だと思います。

 また、ワンダーフェスティバルや静岡ホビーショーなど、フィギュアが展示・即売されるイベントに行ってみるのも良い勉強になります。
 フィギュア製作がうまくいってイベント出展しようと考えた時も、一度見ておくと雰囲気がつかめます。
 やり始めると色々ありますが、自分のペースで無理なくフィギュア制作を楽しんでいただければ幸いです。

 本ページでは、他にもいろいろなジャンルで使う材料についても紹介していますので、興味のある方はご一読いただけると幸いです。

この記事を書いた人

造形材料メーカーで十数年勤務を経験。
作品に最適な材料選定の一助なれたら嬉しいです。

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