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粘土の種類と選び方【中学校~美大受験を視野に】

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美大受験で粘土の科目があるけど何使えばいいの?子供の美大受験を視野に入れたいけどどんな粘土を与えてあげればいい?

市販されている粘土はたくさんありますが、アカデミックな場面で使われる粘土の種類は限られています。

ここでは、美大受験に使われる粘土の種類について解説します。

目次

美大受験を視野に入れた時の粘土はこれ!

美大の受験では「水粘土(土粘土)といわれる種類の粘土が使われます。

採掘された粘土鉱物を粉砕、ふるい分けされたものを水で造形しやすい固さに調整したものになります。

他にもアカデミックな場面で使用される粘土に塑像用の油粘土や石粉粘土などがあります。 それぞれの特徴は下記のようになります。

 水粘土(土粘土)油粘土(塑像用)石粉粘土
特長・きめ細かで造形性がよい
・水でもどせば何度でも使える
・比較的安価
・きめ細かで造形性がよい
・固まらないので何度でも使える
・やや粗いがよい造形性
・ある程度保存がきく
・乾燥後収縮が少ない
欠点・収縮が大きく、ひび割れやすい
・強度が弱く保存に向かない
・繰り返し使うとカビが生える
・固まらないので保存に向かない
・価格が高め
・基本的には繰り返し使わない。
・若干高い
推奨用途・本格的な練習(試験近く等)・日々の練習・節目での作品制作

水粘土は実際に試験で使う粘土ですので、必ず触っておくべきです。その他の粘土については、2~3年スパンで練習する際に、使用すると便利な粘土になります。

それぞれ具体的にどのような粘土か見ていきましょう。

水粘土(土粘土)

「水粘土」は美術分野で呼ばれる呼び方で、天然の粘土鉱物でできた水性の粘土のことを指します。対比に油粘土があり、その区別の為の名前ともいえます。

検索ではなかなかヒットしないですが、「土粘土」や「彫塑(用)粘土」として販売されているものがこれに該当します。

美術造形の分野でも使用される本格的な水粘土。
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比較的価格が安く、凹凸がわかりやすいように濃いグレーのものが一般的です。

 彫塑用の水粘土はきめが細かく、とても造形がしやすいです。また、水で固さの調整や表面の仕上げもできるので使い勝手が良いです。

 実際に受験で使用されるため、これだけを使って練習し続けても何の問題もありません。

水粘土のデメリットとしての収縮の多さ(約12~16%程度)や、ねんどの接着の方法などは実物を使って初めてわかることですので、特徴をよくとらえるとよいと思います。

 重く、保存には向かないので、節目で自分の作品をとっておきたい場合は石粉粘土を推奨します。

油粘土(彫塑用)

 油粘土は、幼稚園~小学校低学年ごろに汎用的に使われる粘土なので馴染み深いと思いますが、塑像用の油粘土は、扱いやすさで一線を画しています。

 実際に塑像用水粘土で使用するようなきめ細かな粘土を適度な固さで調整した油粘土は若干高めですが、何度も何度も繰り返し作っては壊して練習していく場合は、最終的なコスパはこちらのほうがよいかもしれません。

 油粘土自体の種類はたくさんありますが、幼児、児童用のものも多いので、選び間違えないようにしましょう。レオンの油粘土(標準硬度)が固さ的にもちょうど良いと思います。

塑像用油粘土の代表格。プロダクトデザインにも。
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石粉粘土

石粉粘土は、鉱石を粉砕したものを水性の糊と混ぜて粘土状にしたものです。

創作人形、フィギュア制作などにも使用されることが多いですが、美術専科の高校などでも取り扱われることのあるアカデミックな側面も持つ粘土です。

石粉粘土もいくつか市販されていますが、水粘土に使用感が近いものはラドールです。

美術、手芸、ホビーなど、すべての分野で癖なく使える石塑粘土。
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立体構成を勉強する前や進学した時など、節目で自分の作った作品の違いを見比べるのも良い勉強になるかと思います。

石粉粘土は他の粘土に比べ保存が利く為、自分の成長の節目でこれを使って作品を作ってみても良いのではないかと思います。

まとめ

美大受験を念頭に置いた粘土の選び方について解説しました。

 実際に使うのは「水粘土(土粘土)」ですが、ご自身の状況に合わせて彫塑用の油粘土や石粉粘土を使ってみても良い練習になるかと思います。
 ここで上げた水粘土をはじめとする塑像用粘土は他の市販の粘土に比べても圧倒的に造形しやすく、造形材料としての質も良いものです。
 また、どれも、受験のみでなく、塑像の制作においても使用される材料になります。実際にこれらの粘土に触れただけでも創作意欲が湧いてくる感覚があるかと思いますので、ぜひ一度触ってみてください。

 本ブログでは、他にも粘土に関する記事を掲載していますので、ご興味のある方はご一読いただけると幸いです。

この記事を書いた人

造形材料メーカーで十数年勤務を経験。
作品に最適な材料選定の一助なれたら嬉しいです。

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