クレイフラワーを作ってみたいけどどんな材料を使えばいいの?小道具でクレイフラワーを作りたいけどどうすればいいかわからない。そんな疑問にお答えします。
クレイフラワーで使われる粘土の分類
クレイフラワーで使われる粘土は大きく分けると2種類になります。
- 樹脂粘土
- 軽量粘土
樹脂粘土は比較的透明感があり、透き通るような花弁を持つ花や奥行きのある色調を表現するのに向いており、生け花やフラワーアレンジメント風のものや、比較的花弁の小さい花に適しています。
軽量粘土(軽量樹脂粘土)は、ベースが白く不透明な為、パステルカラーや温かみのある色調表現に向いており、軽量なので花束や大きな花弁を持つ花に適しています。
制作者の技量や芯などの補助材料等により、必ずしも使い分けする必要はありませんが、素材自体が持つ適正は上記のようになります。
また、メーカーによっても相性はありますが、樹脂粘土と軽量粘土は混ぜて使用することもできます。
樹脂粘土、軽量粘土にもそれぞれいろいろな種類の粘土が販売されていますので、それぞれ特長を踏まえて解説していきます。
樹脂粘土
樹脂粘土の元はメキシコや中南米でパンを素材として作った花(パンフラワー)の材料がもととされており、その成り立ちも相まって、日本国内では小麦粉メーカーの関連会社が製造している粘土が主流です。
ニップン(旧日本製粉)の文化事業と関係のある㈱ジャックスと日清製粉のグループの日清アソシエイツがしのぎを削っています。
そこに老舗粘土メーカーのパジコ、独特な特徴あるアイボン産業、100均樹脂粘土が入り込んでいる形になります。
各社代表的な粘土を比較すると概ね下記のような特徴があります。
グレイス | コスモス | プロフェッショナルA | ルナクレイ | |
メーカー | 日清アソシエイツ | 日清アソシエイツ | ジャックス | ジャックス |
容量 | 200g | 250g | 200g | 250g |
価格(定価) | 1155円 | 1008円 | 1150円 | 1045円 |
特長 | 透明感がある 薄く延ばせる | 白みがある コシがある | 薄く延ばせる 繊細な加工に耐える | 白みがある 削れる |
モデナ | モデナソフト | すけるくん | 100均(ダイソー) | |
メーカー | パジコ | パジコ | アイボン産業 | 大創産業(販売) |
容量 | 250g | 150g | 200g | 30g |
価格(定価) | 1000円 | 1000円 | 1430円 | 100円 |
特長 | 透光性がある 耐水性がある | 白みがある 耐水性がある 軽い | 透明になる | カラーバリエーション豊富 |
大きな特徴としては
「透明感のある系粘土」としてグレイス、プロフェッショナルA、モデナ、
「白みのある系樹脂粘土」としてコスモス、ルナクレイ、モデナソフトという感じで
各社代表的な2品目を軸に細分化された商品があります。
特に「グレイス」、「コスモス」は手芸店でも手に入りやすい粘土ですので、一度試すのにはこのあたりから入ってみると良いと思います。
軽量粘土
軽量粘土は名前の通り、とても軽い粘土で、おおむね水の半分くらいより軽い比重のものが一般的です。
軽量粘土は持ち前の軽さから、花弁部分が大きくなりがちなものや花をモリモリに盛ったブーケなどの制作に向いています。
また、粘土に使われている素材の粒が大きい為、表面に極めて細かな凹凸ができており、温かみのある作品になる傾向があります。
花びらなど薄いものを作る際に樹脂粘土に比べると少し厚みが出てしまいがちですが、花びらの厚みのあるものや、人が手に持つ前提のものなどはこちらで作ったほうが良いでしょう。
軽量粘土はたくさんのメーカーから出ていますが、特にクレイフラワー制作に向いている軽量粘土を比較してみました。
CLAY CRAFT by DECO ソフトクレイ | グレイススーパーライト | ハーティ | |
メーカー | DECO(販売) | 日清アソシエイツ | PADICO |
容量 | 137g | 160g | 200g |
価格(定価) | 781円 | 735円 | 600円 |
特長 | 滑りがよい 形が崩れにくい カラーが多い(6種) | 乾燥後表面が滑らか 粘りが強い | 形が崩れにくい カラーが多い(9種) |
CLAY CRAFT by DECOソフトクレイはクレイクラフト教室の[DECO CLAY CRAFT ACADEMY] にて販売されているクローズな商品なので、なかなか手に入りにくいかもしれませんが、クレイフラワーの制作にはかなり特化して使いやすい粘土になっています。
比較的手に入りやすいのは「ハーティ」で、カラー粘土が豊富だと絵具を混ぜて手が汚れて作品を冒してしまう危険性を軽減できます。
手に入れることができるようであればCLAY CRAFT by DECO ソフトクレイを、手軽に始めたい場合はグレイススーパーライトかハーティを選ぶという感じになると思います。
軽量樹脂粘土とは
「軽量樹脂粘土」はただの軽量粘土を指す場合と軽量化された樹脂粘土を指す場合があります。これはメーカーによって違います。グレイススーパーライトのように、「樹脂粘土を軽量化した粘土だから」という理由と「軽量化に使用している成分が樹脂だから」という理由で使われていて、業界的に統一化されていないのが現状です。
クレイフラワーを作る場合、樹脂粘土を軽量化したものが欲しくなることがあると思いますが、その場合は樹脂粘土の名前を冠している軽量粘土(グレイススーパーライトやモデナソフトなど)を選ぶのが無難です。
クレイフラワーに使う変わり種粘土
すけるくん
ベースは樹脂粘土で乾燥後にすりガラス状までの透明度になる粘土です。樹脂粘土として販売されているものよりも若干べたつきなどがあったり、作業時の気泡が透明になると目立ったりなど、扱いが少し難しいところはありますが、他に類のない透明度の樹脂粘土になります。
既存の粘土では透明度が足りない場合に樹脂粘土に混ぜてみたり、花と相性の良い果実(柑橘系やブドウなど)の果肉部分を表現したりと樹脂粘土だけでは難しい表現を可能にします。
香りのせっけん粘土
固まった後に石鹸として利用できる樹脂粘土をベースとした粘土です。使用感は樹脂粘土よりも少し固めという感じですが、何より使用後の用途が飾るだけではく使用できるというのが最大の特徴です。うまい方の作品は勿体なくて石鹸として使えませんが、練習過程でできた作品を飾る場所がないなど困ってしまう場合は、こちらを使用してみても良いかもしれません。やわらかい石鹸で花を作っている感覚があり、とても面白いです。
クレイフラワーの教室とギャラリー
クレイフラワーは手芸分野で長く愛好されている分野の為、大小さまざまな教室が開かれています。中でも樹脂粘土、軽量粘土それぞれで大きな教室を一つずつ紹介しますので、リンクHPからギャラリーを見てみてください。
JFS ジュンコ・フローラ・スクール
樹脂粘土を主に扱うクレイフラワー教室で、ニップン系の文化事業と二人三脚でクレイフラワーを広めている権威ある教室です。日本全国に教室を持っており、地方単位で支部がある大きな教室です。もちろん作品のレベルも高く、作品展などがあったら一度実物をご覧になるのをお勧めします。
DECO CLAY CRAFT ACADEMY
こちらも全国的に教室を持つ大きな教室で、独自ブランドの軽量粘土「ソフトクレイ」を扱っている教室になります。やはり作品の完成度は高く、一度は目にしてほしい作品ばかりです。独自の作品展に加えて、4月末ごろにビックサイトで行われる日本ホビーショーにも出展されることがあるので、ぜひ一度ご覧ください。
まとめ
クレイフラワーに使用する粘土をご紹介しました。
大きくは樹脂粘土、軽量粘土の2種ですが、その中間の材料や素材感や特徴の違った粘土が数多く販売されています。いろいろな粘土を試してみるもよし、一つのメーカーの粘土を混ぜて自分に合った粘土にするもよしです。ここでメジャーな2種のみを紹介しましたが、石粉粘土などを使ったクレイフラワーも存在しています。自分に合った粘土で自由にクレイフラワー制作に取り組んでいただければと思います。
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