ジオラマの地面の凹凸をつけたいけどどの粘土を使えばいい?
既存のモチーフで良いものがないから作りたいけど何がいいの?
ジオラマは作品対象となる範囲も広く、色々な材料を組み合わせて作ることができる自由度の高い作品ジャンルですが、
その中でも粘土は何かと重宝する名脇役の材料になります。
粘土もいろいろあるので、ここではジオラマによく使われる粘土に絞って解説します。
ジオラマに使う粘土の種類
- 軽量粘土
- 石粉粘土
ジオラマでの粘土の使用シーンは主にベースとなる地面の装飾に使用されることが多いです。木材などで作ったベースの上に粘土を広げ、土の凹凸、足跡、轍などの装飾をしてメインとなる作品を際立たせる脇役的な立ち位置で使用するケースも多いです。
上の二つは良く使用される粘土の種類ですが、どのようなケースで使用されるかについて、詳しく説明していきます。
軽量粘土
ジオラマ制作において、最も使用される機会の多い粘土です。
粘土はジオラマ全体の地面の装飾に使われることが多く、広い範囲に粘土を広げるため、使用する粘土の量は意外と多くなりがちです。
そうなると、ジオラマのベース部分の重さも粘土の量に比例して重くなる為、ある程度のサイズのジオラマを作ろうとすると、基本的には軽量粘土を使用するのが適しています。
また、軽量粘土は、硬化後に弾力のある壊れにくい作品に仕上がる為、ジオラマの脇役部分で割れたりひびが入ったりして余計な補修をする手間が軽減できます。
軽量粘土の難点は他の材料に比べてヒケが大きく、ベースが発泡スチロールやアクリルなどの樹脂だと、乾燥した後に剥がれやすくなってしまうことです。
木の板や紙などの水を吸うような吸着性の高い材料を芯にするか、ベース全体を粘土で覆ってしまえばこういったことは比較的防げます。
ベースとして埋まってしまうので、安価なものを選ぶのが経済的です。
㈱パジコの「軽量紙粘土かるがる」などはメーカーブランドで比較的安価なものになります。
商品仕様の移り変わりが激しく安定はしませんが、100均で販売されている軽量粘土でも十分使えます。
石粉粘土
ジオラマにおけるモチーフを自作する場合や、切り立った山の岩肌を表現したりする場合など、ポイントで使用することに向いている粘土です。
先に挙げた軽量粘土に比べると重くなってしまいますが、大きな違いは作った後に切ったり削ったりすることができる点にあります。
ある程度の塊を乾燥させた後に、固まったねんどを削って、軽量粘土では出せないシャープなエッジを出したり、粘土表面をやすり掛けして平滑に仕上げたりすることができるので、比較的細かな表現ができます。
粘土としては収縮も少ないので、ジオラマに尺度に合わせてちょうどいいモチーフがない場合などに、自作してしまう際にも使えます。
弱点はやや重いことと、弾力がなく壊れにくいことにありますので、ベース全体を石粉粘土で作る場合は取り扱いに注意が必要になるかと思います。
何を作るかによってあるおすすめの粘土は変わりますが、石などある程度粗い表面を作りたい場合は、比較的石粉の粒子が粗く感じる日本教材製作所(創作紙粘土協会)の「myナピア」が良いのではないかと思います。
また、ジオラマのベースにする色が決まっている場合は、既に着色済みの粘土を使用するのも良いです。
特に、茶色や濃いグレーなど、着色に絵具を多く要する色に関しては、事前に色のついているものを使用することをお勧めします。
着色済みの石粉粘土については、Mr.情景用クレイがよく使う色が揃えられていて良いかと思います。
地面用に特化した粘土「Corkee」
ジオラマ用に特化した粘土として販売されている㈱アーテックのCorkee(コルッキー)について説明します。
Corkeeは軽量粘土ベースの粘土にツブツブの粒子(おそらくコルク粒)が入っており、石の混じった地面などの表現が簡単にできる粘土です。
もともと土の色に着色されているので、乾燥後に着色する必要もなく、粘土同士やベースとなる心材との接着しやすく、接着剤などを使用する必要もありません。
混ぜ込まれているツブツブはベーシック、小粒、超小粒の3種類、カラーはライトブラウン、ダークブラウン、サンドカラー(砂浜色)、グレイの4色があり、様々なケースに合わせた粘土があるので、ジオラマのサイズ感やシーンに合わせて選べます。
正直かなりニッチな商品だと思いますが、その分いろいろ考える必要がないので作る側には優しいです。プラモデルやフィギュアの背景制作にも使えるのではないかと思います。
より詳しくはメーカーHPに特設ページがありますので、そちらもご覧ください。
まとめ
ジオラマに使用する粘土について解説しました。
ジオラマは建設模型や鉄道模型と合わさったり、風景自体を切り取ったりする為、作品全体が大きくなりがちです。なので、第一は軽さ、第二は壊れにくさという点でやはり粘土を使うには軽量粘土が一番登場機会は多いです。
ジオラマは作るものによっては、粘土に限らず、石膏やセメントなど、様々な材料を使用できる作品ジャンルですが、材料の選び方の基準は基本的には同じです。
大作を作ったのに壊れてしまった…などの悲しいことが起こらないよう、参考にしてください。
また、フィギュアなどに使う粘土についても別記事で紹介してありますので、興味がある方は覗いてみてください。
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