紙粘土ってよく聞くけど実際どんなものかよくわからない。
いろいろな種類の紙粘土があるけど紙粘土って実際何のことを言うの?
工作などでよく目にする「紙粘土」ですが、いろいろな粘土のことを指していて何のことを言っているかわからなくなる時があります。
ここでは、「紙粘土」の定義といろいろな紙粘土の解説をしたいと思います。
紙粘土の定義と特徴
「紙粘土」は狭義には粘土鉱物や炭酸カルシウムなどの無機の粉とのりを混ぜ合わせたものに「紙パルプ」を使用して補強した粘土のことを指します。
昭和中期に小学校などでは炭酸カルシウム、水のり、新聞紙解いたものを混ぜて粘土状にしたものが工作で使用されていましたが、これも狭義の紙粘土に当たります。
それまで粘土というと陶芸などに使用されるいわゆる陶土や水粘土と呼ばれる粘土鉱物と水を主成分とした天然の粘土が主でしたが、乾燥後のひび割れや壊れやすいものでした。
しかし、紙パルプを補強材として入れることで、これらの問題を解消することができ、作品制作に芯材を使用することができるようになった為、工作用粘土の主流となりました。
現在では、原料に紙パルプを原料として使用している粘土全般を「紙粘土」と呼ぶ傾向にあり、狭義の重い「紙粘土」のほかにも、軽量粘土の補強に紙パルプを使用している「軽量紙粘土」が主流となっており、学校教材や100均などでよく目にすることができます。
いずれもメリットとしては、紙を使用しないものに比べてひび割れにくく壊れにくいという点が挙げられるかと思います。
また、樹脂粘土などに比べると紙粘土は安価なものが多いのも特徴です。
いろいろな種類の紙粘土
現在販売されている「紙粘土」には大きく3つの種類があります。
それぞれの粘土と、どんな使い方ができるかについて紹介します。
紙粘土(狭義の紙粘土・重いタイプ)
元祖紙粘土といっていい粘土鉱物や無機の粉に紙パルプが混ざっているタイプの粘土です。
最も特質すべき点は価格面にあり、1㎏で300円前後の価格で売られているものがほとんどです。
石粉粘土などに比べると細かい造形には向きませんが、大まかな形を作ったり、小学生くらいの子供が使用したりする造形材料としてはコストパフォーマンスが高いかと思います。
大人が使用する場合は、立像を作る際の土台や下部に重心を作るための材料として使用すると良いかと思います。
軽量紙粘土
紙を補強に使用した軽量粘土で、昔ながらの紙粘土に比べて1/5程度まで軽量化されています。
現在の紙粘土の主流はこちらで、紙粘土特有の壊れにくさに加え、軽くなったことで持ち運びやすいというメリットもあり、学校の図画工作の授業などでもよく使用されます。
軽量紙粘土は軽量粘土のカテゴリーの中でも安価なものが多いため、アート分野でも大型作品の分野で使用されるケースもあります。
粘土以外のもので芯を作り、軽量紙粘土で大まかな形を作った後、石粉粘土などのきめの細かい粘土で覆ったり、下地材で表面を整えたりして仕上げることで、作品制作全体のコストを抑えながら、持ち運びしやすい軽い作品を作ることができます。
また、紙粘土とスライムを組み合わせて作る「紙粘土スライム」は軽量紙粘土を使用して作るのがおすすめです。
粘土とスライムを掛け合わせた独特な触感の材料で、小学生低学年くらいの子供とのレクリエーションに良いかと思います。
ホントの紙ねんど
ホントの紙粘土は紙とのりだけで構成された粘土状の造形材料になります。
粘土を紙で補強している他の紙粘土とは異なり、紙の繊維独特の凹凸感があるのが特徴です。
商品としては、紙パルプ、のり、重曹、クエン酸が入ったもので、紙を重曹とクエン酸でほぐして、粘土状にするまでの過程も楽しめるため、知育玩具的な側面もあります。
紙のみで作られているので、絵具との相性も良く、絵具を混ぜたり、立体的にできたキャンバスに描画したりといろいろな表現ができます。
また、ほとんど紙だけでできているため、香料とも相性が良く、作品を作った後も、香料を加えて香りを楽しむこともできます。
まとめ
紙粘土の定義と大まかな3種類の紙粘土について解説しました。
紙粘土は安価な材料なものが多く、小学生くらいの子供の工作に使われるものが多いです。
しかし、本格的なアート分野でも縁の下の力持ち的な立ち位置で特にコスト面で強みがありますので、子供向けと思わず、一度使ってみるもの良いかもしれません。
また、変わり種として紙だけでできた粘土も販売されていますので、変わった粘土を使ってみたかったり、絵具や香料と合わせて作品を作ったりしたい場合は試してみても良いかと思います。
本ブログでは、他のいろいろな粘土についても解説していますので、興味がある方は見ていってください。
あなたの作品制作に最適な材料選びの参考になれば幸いです。