水粘土っていったい何のこと?水粘土と土粘土や他の粘土との違いってなに?
〇〇粘土というたくさんあったり、同じものを指す場合もあったりと混乱しがちです。
今回は、主に美術分野で使われる水粘土について解説していきます。
水粘土とは
水粘土は「天然の粘土鉱物」と「水」でできた粘土のことを指します。土粘土といわれる粘土と同じものを指す場合もあります。
水粘土の対比として油粘土があり、粘土鉱物の相方の液体が水性なのか油性なのかを区別する為の言葉といっても良いかもしれません。
ただ、同じ粘土鉱物と水でできている粘土でも、陶芸などに使う陶土や磁器土などは水粘土ということは稀で、彫塑で使用する灰色の粘土を指すことが多いです。
粘土の粒子が細かく、形を保持しやすい性質があるため、手で形を作ることに向いている粘土です。
美術大学受験で粘土を選択した場合などに、水粘土を指定される場合があります。一般的には「彫塑用粘土」と書いてあるグレーの粘土を選べばよいと思います。
水粘土と他の粘土との違い
水粘土と土粘土
水粘土と土粘土は同じものを指している場合があります。
しかし、土粘土は水粘土に比べて含意が広く、「土を使っている粘土」「土っぽい感じにした粘土」なども土粘土と呼んでいる場合もあります。
特にはにわや土器を制作するような赤茶色の粘土は、小学校の授業で使用することがあるため、繊維質なども含まれており、塑像用に間違えて買うと全く違う質感になるので注意しましょう。
水粘土と石粉粘土
どちらも美術分野で彫塑用途として使用されることのある粘土ですが、成分の構成が異なります。
水粘土は先の通り水以外はほとんどが粘土鉱物であるのに対して、石粉粘土は粘りのない石粉を水性の糊でまとめて粘土状にしたものをいいます。使いやすさなどを考慮して、パルプなどの繊維質が入っていることも多いです。
造形をする上での癖のなさは水粘土の方がありますが、作品制作後の強度や保存性などは石粉粘土の方がある為、作品をとっておきたい場合は石粉粘土を使用すると良いですが、授業などで水粘土を求められた場合は間違えないようにしましょう。
技術的な話ですが、石粉粘土のように、本来粘りがない粉末を粘りのあるものと混ぜたり、粘土鉱物を含まないが粘土状っぽい扱いができたりするものを、「粘土状組成物」や「粘土状物」と呼ぶ場合があります。
まとめ
水粘土について説明しました。
美術に携わる人以外はあまり耳にしない名前かと思いますが、急に水粘土といわれて困ってしまった方の一助になれば幸いです。
水粘土を含め、美術関係のアカデミックな分野で使用される粘土について、下の記事でまとめていますので、美大受験したいと考えている方や、その保護者の方などの参考になれば嬉しいです。